MOK Structural Design Unit

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漆床の家

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なまえのとおり、まず、漆の床が目に飛び込んできます。

今、この色と艶に惚れ込んでいます。実は、予算がかなり厳しかったことから、「床は、厚さ30㎜の節のある並材の杉板にして、ワークショップで漆をぬれば、きっと素晴らしい床になりますよ。」と熱弁して提案したものなのです。

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高い天井のリビングには、いつものシンカンセン(オリジナル照明)も少しアレンジして後藤照明のペンダントと組み合わせました。
このシンカンセンも漆塗り。石牧建築の市川大工が製作。漆は監督の佐原さんが塗りました。
桁高は3365mm。右手に構造要素となるJパネルのキャットウォークがあることで、ちょうどいい感じの高さに感じられます。キャットウォークといってもしっかり大人が乗れる幅がありメンテナンス床になっています。
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リビングの東には下屋で和室がつながり、和室右手が玄関ホールになります。
上部にはFIX窓がありますが、明り採りというよりは、東の丘の緑を見るために設けたものです。


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ダイニングキッチンも天井が高く、リビングと同じ架構の空間です。今回、杉材は天竜のフジイチさん。ほとんどが8寸の芯去り材です。正面の梁は木裏を見ているので、節が見えますが、木表はどんなにキレイか想像してみてください。垂木(構造材)も150×75の芯去り材。垂木も同じく木裏が見えています。
食器棚は大工造作家具。少し懐かしい感じのデザインです。
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ダイニングキッチンにある階段。箱階段に憧れていた住まい手に、こんな格子の棚がある階段を提案しました。 厚さ30㎜の杉パネルを使い、段板を支えるための縦方立と段板の構成で、マスコの棚ができました。
この写真に見える梁は、芯去り材の木表が見えているので、ほぼ無地。本当に素晴らしい材料でした。


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2階は桁高が1189mmと低く、屋根裏部屋のようです。こんな部屋こそ、小さなこどもには嬉しい空間になるのではないかと思います。
Jパネルの床板は、梁の上に直貼りで床剛性をとっているのでビスがしっかり打たれています。そのビス隠しに、ウォールナットの薄いカバーをつけました。格子状にデザインされた床仕上げのように見えますね。


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その2階のお部屋にある丸窓から家の中を覗きます。シンプルな架構を通して東の高窓から、緑が見えます。丘というのは、実は鎮守の森。気持ちが清々しくなるのです。


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2階から見下ろしたダイニングキッチン。漆の床にうっとりします。これが、住まい手さんや大工さんたち、みんなで漆を塗った床板かと思うと「凄いな!」と感動すらしてしまいます。
キッチンカウンターも漆。とても「予算が厳しかった」家には見えませんね。
(そんな漆の魅力にはまってしまい、とうとう2017年からは、自前の漆工房を持つようになります。)


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ダイニングキッチンの奥には水廻り空間があります。シンプルな洗面台や収納。そして浴室も漆。白のタイルに漆の色が冴えます。漆は抗菌作用もあり、浴室に積極的に使っていきたいと思っています。


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南庭から内部を見ます。今回、樋をつけなかったことで、軒先がすっきり。
冬の日射取得のためにFIXの高窓。夏の日射遮蔽のために格子網戸を設けています。
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右手の丸穴のある白い塗り壁の向こうは玄関ポーチ。床は桧のデッキ板です。
桁高を抑えたことで、本当にかわいい高さの外観になりました。主張しすぎない形に安心感を覚えます。落ち着いた周辺環境に溶け込み、「手仕事の魅力」を発信する家になりました。


MSD三澤文子

| 16年12月31日